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スタッフブログ

バックナンバー

2015年 11月のバックナンバー一覧です。
 『タウンワーク11月30日号』に、
  ・トイレの写真を単体で載せました。
 私の知る限り、介護専門媒体でない紙面に、トイレ単体の写真を、製品の宣伝ではなく載っているのを見かけたことがありません。
 この広告を出すには、相当な“決意”が必要でした。

 この決意を促してくださったのも、広告会社の営業担当者とのやりとりでした。

  ・○○さんって、トイレはどこでします? いつします?

 なかなか、しにくい質問ですが、そこはあっさりと聞きました。

  ・トイレで、行きたくなったとき。

 こう答えていただきました。そして、

  ・行きたくなくても行くときってありますよね。

 ちょっと考えて

  ・寝る前や大事な約束がある前、電車に乗る前なども行きますね。

 とのこと。

 実は、この会話の中に排泄ケアで大切にするべきことの大部分が含まれているのです。

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 「トイレはトイレでする」を大切にしています。
  →座る姿勢とタイミングに着目しトイレでできるようにサポート◎
   “環境”を整えることでスタッフの負担も減り、ゲストのいきいきしてきます!

 「トイレはベッドの上でするもんじゃない」
  →スタッフがサポートできる環境であれば、
   座ってトイレができるようになります◎
   ゲスト(利用者)のためにも、スタッフのためにも、
   排泄ケアに力を入れています。
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 みなさんが、トイレに行くタイミングと、その時の姿勢を考えてみてください。
 朝起きてすぐ、朝食の後、出勤する前、昼食の前後、3時の前後、会社から出るとき、
 夕食前、入浴の前、就寝前、少ない方でも6回ほどは行くことだと思います。
 その内の何回かは、大きい方も一緒にしていると思います。
 そのタイミングを、2時間おきとか3時間おきで決めていませんよね。

 そして、トイレでは便器に座ってしていると思います。
 尿も便も、重さがあるので、上から下へは流れやすいのです。
 つまり、尿道や直腸の方向をなるべく下向きに合わせて排泄を行う。
 筋力が弱って“いきむ”ことが難しくなってきたゲストの方にも、もちろん私たちにも、重力は平等に働いてくれます。
 なので、座ってすることは、理にかなっているし、楽なんです。

  ・出るタイミングに合わせて(トイレに)座ってもらう

が、排泄ケアの基本になります。ただ、出るタイミングがわからなくなってしまっているゲストもおられるので、

  ・出るかも知れないタイミングに合わせて座ってもらう

ということも、行います。

 それでも、おむつを使っている方もおられます。

  ・排泄ケア=おむつ交換

ではないということを知ってもらいたい。
 自分でトイレに行くことができるように援助していくことも排泄ケアだし、水分補給を促したり、腸内環境を整えて、気持ち良く排泄していただくように導くのも排泄ケアです。

 前回は、自分でお風呂に入ることができるように援助するための浴槽の工夫について書きました。
 写真はどこにでもあるような障害者用のトイレです。
 でも、“姿勢”と“タイミング”に着目すると、排泄ケアが一気に進むのです。
 タウンワークの原稿を更新しています(11月16日発行分)
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 高さ40?、イスに座る感覚で入れるお風呂です。
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  →長年の介護ノウハウを駆使して普通のお風呂にお一人づつ
   入浴できるように取り組んでいます。
   「介助浴」って機械でお風呂にはいることだけではありません。
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 私が介護の世界に入った○十年前、「入浴日(当時は毎日入浴介護があるわけではなかったのです…)」には、栄養ドリンクを飲んで“気合”を入れて出勤したものです。
 入浴日は、老人ホーム全体が入浴で動くのです。
 設備は、大浴場とリフト浴槽だけ、
 職員は、短パンTシャツ姿になって浴槽にまで入って介護していました。

  ・誘導 → 居室から浴室まで誘導する係
  ・外介 → 主に脱衣室で更衣介助をする係
  ・内介 → 主に浴室内で洗身や洗髪をする係
  ・整容 → 髪を乾かしたりお化粧をする係、水分補給も併せて行う係
 それこそ、職員全員が一致協力して入浴介助を進めていたのです。

 午前中に何人、午後から何人と、入浴の順番が書いた表が貼ってありました。
 ひとりひとり着実にこなしていきます。
 午後3時過ぎ、あと数人になりました。
 午後4時やっと、全員の入浴が終了しました。
 あとは、後片付けだけです。

 当時は、当たり前と思って業務に入っていました。
 でも、この方法っておかしいと気がつき出しました。

  ・職員の都合でゲストの入浴“させている”のです。

 この反省から、ゲストの都合に合わせた入浴方法が考えられるようになってきました。
 それが、

  ・マンツーマン入浴方式への変更
  ・個別浴槽(家庭浴槽)の活用

 だったのです。

 入浴はとてもプライベートなものです。
 できれば、ゆっくりとひとりで入りたい、誰もがそう思うのではないでしょうか。
 それを実現するために、

  ・大きな浴槽ではなく、個別浴槽(家庭浴槽)を設置し、
  ・身体状況に合わせた入浴機器を準備することにしたのです。

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 特に個別浴槽(家庭浴槽)は、ゆったり自分のペースで入ることができると好評です。
 また、介護する職員にとっても、ゲストと長い時間関わることができるので状態がよくわかると評判が良いのです。
 家の浴槽と違って、少しだけ掘り込んで浴槽を埋め込んでいます。
 なので、縁の高さが約40?、ちょうどイスの座面と同じ高さになっているのです。
 だから、座る要領で、縁に腰掛けて、お尻をずらしていくと浴槽に楽に浸かることができるのです。
 浴槽から出るときはどうするかって?
 それは、浮力が働くのです。
 物理的な力“浮力”を使って、筋力がそう強くないゲストで浴槽から上がってこられます。

 それでも、この浴槽に入ることができないゲストももちろんおられます。
 身体が突っ張ってしまい手足を曲げることが難しい方(伸展位拘縮)、逆に麻痺によって手足が折り曲げた部位で固まってしまい伸ばすことが難しい方。
 このような身体状況のゲストには、それぞれ専門の機器で入浴していただけるようにしています。
 但し、この場合も入浴担当者は誘導から整容までを一貫した流れで引き受けます。
 脱衣室で待たされたり、入浴する時間よりかなり前に浴室に誘導されるなんてことはありません。

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 【チェアーインバス】 座った姿勢のままで入ることのできる浴槽です。

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 【リフト浴】 寝たままの姿勢で入ることのできる浴槽です。

 個別浴槽とチェアーインバス、そしてリフト浴を組み合わせて、マンツーマン方式で入浴介助を行っています。

 注:併設のデイサービスセンターには、大浴場もあります。
 12日は“焼き芋”を楽しみました。
 特養やグループホームのゲストの方々には、焼いているところに来ていただいて食べてもらったり、できあがりをフロアーに持って行っておっそ分けをしました。
 みなさん“美味しい”と言ってくださり、毎年のこの時期のお楽しみの一つとして定着してきています。
 もちろん、併設のデイサービスにもおっそ分けしたのでした。


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 13日は、そのデイサービスで、昼食に“お好み焼き”をみなさん力合わせて作りました。
 昼食メニューの主菜(鶏の豆鼓蒸し)を“お好み焼き”に変更して楽しみます。
 さすがに男性のゲストは手を出されませんが、女性のゲストはなんやかんやと手伝ってくださいます(もちろん中には“口”だけの方もいらっしゃいますが…)
 粉(山芋の粉や出汁粉の入ったミックス)を溶いて、卵を割り入れて、キャベツとお肉(これが豚バラではなく残念ながらミンチになります)も混ぜ込んで、ホットプレートに投入します。


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 お代わり前提ですので、大きくは焼きません(ひっくり返すのに失敗してもなんですから…)
 周りから、「まだ早いな」、「ぼちぼちやで」、「よう焼いた方が美味しいからな」などの助言(野次!)を聞きながら、頃合いを見計らって裏返します。
 この頃になると、部屋に油と生地の焼けた匂いが立ちこめて、まるで“お好み屋さん”のような雰囲気になってきます。


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 お皿に取って、盛りつけです。
 お好み焼きソースを塗って、青のりをかけて、削りかつおをまぶして、そうそう関西なのでマヨネーズも忘れずにトッピングします。
 一度に4枚づつ焼き上がるので、ソース塗り&トッピングを担当されたゲストさんは大忙しです。
 でも、楽しそうでした。
 自分自身も食べながら、他の方のお代わりのタイミングも計りながら、焼いている私と調子を合わせながら、それぞれ2~3枚完食されるまで、手伝っていただいたのでした。
 もちろん、他のゲストさんたちも、任せっきりにしていたわけではなくて、足らなくなりそうになったソースの心配をしていただいたり、お風呂に入っている友だちの分を取っておいたり、後片付けを手伝ってくれたりと、

 ・お好み焼きを中心にした分業体制が確立

していたように思います。

 料理を作りレクリエーションって、ここが面白いのですよね。
 美味しいものを自分たちで作って食べるという楽しさは一番なのですが、

 ・それぞれに何かしらやるべきことがある!
    →たとえ“口”だけでも、食べて美味しいと言うだけでも・・・

 なので、盛り上がるのだと思います。
 職員にとっても、楽しいひとときであります。


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 私も、1枚美味しくいただきました。
 今年も“焼き芋”を作りました。
 施設で育てた「さつまいも」を、一旦蒸かしてアルミホイルに包み、炭火で熱しました。
 さつまいもの糖分が熱を加えることによって匂いを出すのでしょうか、
 あたり一面になんとも言えない甘い匂いが立ちこめてきました。


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 美味しいそうでしょ!
 出来たての焼き芋です。
 “ほふほふ”言いながら頬張ります。
 適度に柔らかくて、適度に水気を含んでいるので、普段は一口大に切ったりしなくては食べることのできないゲストも、手に手に温かい焼き芋を持ってお口に運ばれます。

 不躾ではありましたが、ゲストのみなさんの食べている時のご様子を写真に撮らせていただきました。
 それはそれは、みなさんとても素敵な笑顔をされていました。
 ここで、お見せできないのが残念なのですが、私たちの仕事は、このように【温かくて優しくてゆっくりほっこり】とした時間を共に感じることができる仕事なんですよね。


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 「焼き芋」をするために、さつまいもを育てていただいたボランティアの方々、当日の準備をした管理栄養士を始め厨房の職員、そして灰まみれになり終わった後も炭の臭いをまき散らしていた相談員を始め事務所の職員。フロアーからゲストを誘導してくる介護職員。
 御影に係わる人たちみんなの力で、この美味しい「焼き芋」を食べていただくことができたのです。
 こんな風に、炭火を囲んで“ほっこり”した時間を過ごしました。


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 柔らかい焼き芋ですが、もちろん食べることのできないゲストもおられるので、形の悪いものや小さいものは“スイートポテト"に加工しました。
 芋をつぶして、バターと生クリームを混ぜ込んで、オーブンで焼くとできあがり(結構手間暇かかるんです)。
 これも、美味しくいただきました。

 午前中に、こんな楽しいことをやったものですから、今日はどことなくのんびりした空気の流れていたロングステージ御影でした。
 素直に、嬉しいのです。
 この頃、応募して見学や面接に来られる方から“ホームページ”の内容を良く聞くのです。
 かなり細かいところまで読んでいただいている方もおられて、お話を聞いていると原稿を書いたり、写真を撮ったりしていた頃を思い出し懐かしんでいます。

 採用サイトを立ち上げたのが、2007年(平成21年)、オフィシャルサイトを作ったのが、2009年(平成23年)のことになります。

 今でこそ、ほとんどの施設が自法人(自施設)のホームページを持っており、施設の概要を公開し、採用活動にも使っているのですが、私たちが始めた頃は、この媒体を使ってるところはそんなに多くありませんでした。

 その頃から、6年が過ぎ、採用サイト・オフィシャルサイト共に変更を重ねてきましたが、その根底あるのは、昔からのロングステージの活動やMINDなのです。
 特別に、広報効果を目指しているわけではありません。
 特別に、宣伝しようと書いている(撮っている)わけでもありません。

 ロングステージに興味を持ってくださった方に、もっとロングステージを知っていただく材料になればと思って、飾らない“いま”を伝えていこうと思って書いてきました。

 この考え方、さすがに一般の広告媒体で実践するには抵抗がありました。
 今までにも考えなかった訳ではないのですが、やはり求職者への訴求効果を期待されるので、給与や待遇面、資格取得支援や育児休暇後の復職などを前面に出していく広告か、耳触りの良い「ありがとうがやりがいです」とか「あなたの自立を支えます」といった類いの、柔らかいキャッチコピーを勧める広告会社のやり方に、「そんなもんかな」と思って従っていたのでした。
 資格試験合格率や手当の合計金額などの数字も効果があると言われてきました。
 これは少し効果があったように思いますが、私たちの仕事の魅力を伝えているわけではないですものね。

 この9月頃から「特別養護老人ホームの介護職員募集」について、このブログにのせているような写真や文章を使った広告を出しています。

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咀嚼や嚥下が難しくなってきた方が食べることのできるお寿司


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動かなくなった手足の支え方


 伝えたいことはたくさんあります。
 けども、伝わらなくてはなんにもなりません。
 また、広告ですので、写真の枚数や文字数にも制限があります。
 ブログのようにだらだら、書くわけにはいかないので、

  ・伝えたいことの材料を準備して、広告会社の担当者に渡す

ようにしています。

 私のように素人ではないプロのコピーライターやライターが手がけてくれるので、決して私だけでは作ることのできなかった広告原稿ができあがってきます。
 また、材料を渡して原稿に上がってくる時に、どのぐらい私の意図が伝わっているかが、おそらくこの広告を見るであろう求職者への伝わり方にも影響すると思うので、意図を共有できるような商談をしていくのも楽しいことと思うようになりました。

 そして、先週からは、
  ・座るという動作にまつわる安心感
について語りかけるような広告を打っています。

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 「“座る”という動作について」
 椅子から立ったり座ったり、ヒトは一日に何回するのでしょうか。
 私達が無意識にしている行動でも、介護が必要な方には大変なこと。



20151107-suwaru01.JPG  20151107-suwaru02.JPG

 ★写真の右と左の違い、わかりますか?
 座面にわずか足が密着している。ここがポイントです。
 “確かに”椅子があるという安心感がないと座ることはできません。


以上、【タウンワーク】の求人原稿です。

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 “触れること”によって安心を伝える
   ここで例に出した立ち座りはもちろんのこと、いろんな場面で私達はこの安心感を
   与える介護を行っています。
  手を握るとき、食事をするとき、布団に横になるとき、私たちはあらゆる場面で、
  次に行う動作を確認しながら動いています。これらのほとんどは無意識ですが、
  視覚や聴覚、場合によっては直接触って、安全を確認して行動に移るのですよね。
  ここができなくなってきているゲストはたくさんおられます。
  だから、ここを援助するのです。
  すると、ただのお手伝いではない、その方の残っている能力を活かした介護になるのです。

 ここまでの「三つの介護」をまとめて“とらばーゆ”のWEB原稿にまとめてみました。
 9日から公開になります。

 次のネタも仕込んでいます(というよりも初心を思い出しています)
 反響があるので励みにもなります。
 広告やブログで“いま”のロングステージを感じ取ってください。

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