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スタッフブログ

バックナンバー

2016年 06月のバックナンバー一覧です。
このエントリーは、6月27日発行(公開)の、
求人情報誌(フリーペーパー&WEB)『タウンワーク』
と連動させて、より詳しい内容をお伝えしようと書いています。



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ロングステージらしい日常の介護とは?



◆◆◆マインドに込めた意味

 『MIND』は私たちの行動指針です。
 “ゲストのために”が全ての基本であり、その内容を1枚のカードに収めて職員は常 時携行しています。
 平成9年灘を開設し、その4年後(平成13年)KOBE岡本を開設するときに、当時の職員が中心となって“自らの手で”作り上げたものです。さらにその4年後(平成17年)に開設された御影でもその精神は引き継がれ、最も新しい施設のKOBE大石(平成21年開設)でも『MIND』に沿ったケアが行われています。
 平成13年から平成28年まで、介護の世界を取り巻く状況は大きく変わりました。でも『MIND』の精神は変わりません。しっかりとロングステージの風土として息づいているのです。

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このカードを職員は常時携行しています。



◆◆◆示して介入するのが専門性

 『MIND』を基にした日々の介護についても、2ページ見開きの広告で書き込んでいます。入浴、移乗、排泄、食事についてのこだわりを小さな写真と共に載せています。

 入浴
  →たっぷりのお湯に浸かって疲れを癒やす。
   日本独自の文化ではないかと思います。
   外国の福祉施設を視察に行っても“浴室”はまずありません。
   身体の清潔はシャワーで行う文化圏だからだと思います。
   この“浸かる”という行為を大切にしています。
   なるべく自分で“浸かる”そのために、個別浴槽でのマンツーマン入浴を行い
   っています。
   浴槽の高さは40?、椅子の座面と同じ高さです。
   なので座れる方は家庭にあるのと同じ浴槽に入ることができるのです。
   長い人生で初めての経験になる“機械浴”は極力使うことがないようにしてい
   ます。

 移乗
  →“手を取る動きひとつのも想いがあります”
   まさにこの言葉の通りで、触る場所や力加減を考えて介助を行います。
   ゲストの残存能力を出来るだけ使っていただくということと、
   私たちはできるかぎり少ない力でのお手伝いをするということです。
   介護は「力仕事」ではありません。もしも力任せにやってしまうと、
   身体には傷がつき、心は通わなくなってしまうのです。

 排泄
  →タイミングを合わせて座ってもらう。
   排泄介助の基本であり全てです。
   私たちは日常生活の中で、タイミングを合わせて排泄することを
   無意識のうちににしているのです。
   でしょ、誰も大事な会議の際痛にトイレには行きませんし、
   そこらへんで立ってすることなどありえません。
   排泄ケア=おむつの当て方ではありません。
   もちろん“おむつ”の必要なゲストもおられます。
   トイレで自分でするからおむつまで排泄ケアには様々な段階があるのです。

 食事
  →今、一番難しいのは食事ケアなのだと思います。
   「食べること」=「生きること」のように考えてしまいます。
   自分で食べることが出来なくて靱帯を通して栄養をもらっていた胎児。
   オギャーと産まれて液体(母乳ですね)で育っていく赤ちゃん。
   成長するにつれて、流動状(離乳食)、半固形(幼児食)と形態がだんだん
   大人が食べているものと同じになってきます。
   お年寄りはこの行程の逆なのでしょうか。
   だんだん固形物を食べることが出来なくなってくる。柔らかめになって、
   一口大に、そしてゼリーやソフトになっていきます。と同時に食べる総量も
   減っていって、一日の必要維持量を食べることさえ難しくなっていきます。
   この状態からのケアが、私たちにとって今一番の課題なのです。
   “美味しくて、安全で、楽しむことができる食事”職員一丸となって
   取り組んでいます。

 私たちは、生活に関わる事項について“どのような介護”を行っているかを説明させていただきます。
 “歩かせて欲しい”、“おむつでかまわない”、“たくさん食べさせて欲しい”という願いをご家族から聞くこともありますし、ゲストの中には自らケアについての要望をおっしゃる方もおられます。取り入れるべきことは取り入れていくのですが、私たちはしっかりと介護方法を提示させていただいた上で、介入していく方向を選んでいます。
 もちろん、最終決定をしていただくのはゲスト本人さんやご家族の意思に添う形になるのですが、施設の経験知としての体験をわかりやすく説明させていただいて“その人らしさ”を共に考えさせていただければと思っています。


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優しさと思いやりはこのようなところに表れるのです。
 



◆◆◆ロングステージは“体育会系”なのかも!

 今回もロングステージ御影のゲストAさんと奥様に登場していただきました。
 第1シリーズ(2回目)には、

  →大切な人が、たくさんの人に大切にされている。
   そのことが何よりも嬉しいです。

 のとってもありがたいお言葉を頂戴したおふたりです。
 施設の特徴については今までもたくさん語ってきましたので、求職者のみなさんが、新しい職場を選ぶ際に考えていただきたい点について少し書いてみます。

 職場で長く働き続けるのに大切なことは、自分の思いと職場の風土が合っていることだと思います。
 でしたら、職場の風土ってどうしたらわかるのでしょうか?
 実際に見学してみて感じていただくことが一番なのですが、ちょこっとだけ文章にしてみたいと思います。

 ロングステージ御影で働いていて、ここの組織って“体育会系”だなぁと感じるときがあります。「若い女子中心の職場で介護をしているのになんで?」と思いますよね。
決して、ガテン系で体力勝負の集団だと言いたいわけではないのです。

 ・協調性があって、秩序を守り、思いやりがあって、活動的で、緻密である

 チーム一丸となって、ルールを守り、先輩後輩同僚のことを考え、熱いハートとクールな頭で結果を出す。あらゆるスポーツに通じるものがあると思うのです。

   協調 ←→ 競争    協調の良い面:気を遣う         
   伝統 ←→ 革新    伝統の良い面:秩序を守る     
   情熱 ←→ 理性    情熱の良い面:思いやりがある
   行動 ←→ 思考    行動の良い面:活動的
   緻密 ←→ スピード  緻密の良い面:丁寧、慎重

 逆に見てみれば
   競争の良い面:リーダーシップがある
   革新の良い面:将来を見越すことが出来る
   理性の良い面:理性的、落ち着き
   思考の良い面:深みがある
   スピードの良い面:結果を早く出す


 どちらが良いか悪いかではないと思います。
 それぞれの業種・企業によってこの5つの軸のどちらを優先しているかが“風土”だと思います。
 例えば、競争と行動を優先する企業は、証券会社やベンチャー企業でしょう。
 これが競争と思考を優先するのなら、コンサルタントに向いているのかも知れません。
 協調と思考を優先すれば、研究者になったりメーカーでシステム開発などに従事してのかも。
 そして、協調と行動を優先するのが“体育会系”
 ロングステージ御影もここに位置すると考えているのですが、似たような他業種にどんなものがあるかと考えてみると、総合商社や広告・マスコミ、流通業などに近いのかも知れないかと思います。
 よく介護はサービス業だと言われますが、むしろ“大きな共通の目標にみんなで立ち向かっていく”という視点で捉えていただいても良いのではないかと思います。

 事実、大学や高校で体育会系の活動をしてきた職員も多数いますし、文化系でも吹奏楽部でしごかれてきた職員も在籍しています。

 ひとりひとりが目の前の課題に挑戦しやり遂げることによって、チーム全体の勝利に結びつけることができる。
 この喜びを味わうことが出来るのが、ロングステージの風土だと思います。

 就職後のリアルをぜひ感じに来てください。
 見学会、絶賛開催中です。
『タウンワーク香川版』・『タウンワーク石川・福井版』に載せました。



 6月13日から掲載開始している『タウンワーク』の2ページ見開き広告ですが、6月20日発行分は“医療福祉特集”なので、いつもの【神戸東部エリア】と【神戸西部エリア】に加えて、【尼崎伊丹川西大阪北西部エリア】と【明石加古川エリア】に1/4ページ原稿を載せています。


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 そしてさらに県外エリア【石川・福井版】と【香川版】にも掲載しました。
 キャッチコピーは、

神戸のまちにある、介護施設です。
関西で働きたい方、一度神戸に来てみませんか?


 配布当日の今日(6月20日)、早速応募の電話がかかってきました。
 ありがとうございます。なんと、香川県からです。
 6月半ばまで介護職として働いていたという方でした。

   ・ずっと神戸の街が好きで憧れていました。神戸の街で働きたかったんです。
   ・タウンワークの広告をみて“これだ!”と思いました!

 「我が意を得たり!”です。


 もうずいぶん昔のことになりますが、神戸市内で特別養護老人ホームを立ち上げる時に、介護福祉士養成系専門学校の就職課を訪問したことを思い出します。
 その時作っていた手作りのポスターにはこう書きました。

   ・神戸
   ・新設
   ・特別養護老人ホーム

 海と山の景色に恵まれた神戸の街で、いちから新しい特別養護老人ホームを作っていこうという気持ちを短い言葉に託したのでした。
 多くの学生さんが来てくださいました。
 もちろん、関西圏ではない方もたくさん仲間として迎え入れることがかないました。
 神戸の魅力に助けてもらった採用活動ではありましたが、神戸の景色って本当に綺麗なんですよね。実は、採用専用サイトのトップ写真の“神戸の景色”なんです。



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 学生さん向けの内容ですので、全国に住んでおられる方が対象です。

私たちと理念を共有できる、熱い心を持った人と出会いたい
神戸の街をあなたのライフステージとして選んでみませんか


 ロングステージの施設がある岡本・住吉・御影・六甲道エリアは、歴史ある高級住宅地であると同時に、若い世代の世帯が多くて、区役所などの会議に行くと「多子高齢化」という全国的にも希な活き活きとしている街なんです。また、神戸大学や神戸松蔭女子大学などの大学もあるので学生さんの多い街でもあります。
 あと余談ですが、「スイーツ」と「パン」のとっても美味しいエリアでもあります。今回の原稿には残念ながら書くことは出来ませんでしたが、

   ・休みの日には「スイーツめぐり」も楽しみ!

と書こうかと思っていたほどです。

 法人と提携している不動産紹介業者さんもあります。一部条件はありますが、面接時交通費についても支給します。

 香川、石川福井版については、6月27日号も載ります。
 思い切って応募される方、オールウェルカムでお待ちしています。
 神戸の街で、一緒に働きましょう!
このエントリーは、6月13日発行(公開)の、
求人情報誌(フリーペーパー&WEB)『タウンワーク』
と連動させて、より詳しい内容をお伝えしようと書いています。



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第2シリーズは“仕事のやりがい”です。



◆◆◆介護の仕事の“現実・現場・現状”を伝えた第1シリーズ

 2月15日から8週間に渡って求人情報紙『タウンワーク』に2P見開きの広告を掲載しました。50名近くの方からご応募をいただき、見学面接を経てお互いの思いや条件を確認・調整の結果、多くの方にロングステージで一緒に働いていただくことになりました。

  ・施設が綺麗ですね。
  ・入居されている方が、小綺麗で活き活きされていらっしゃいますね
  ・職員がゆっくり落ち着いていますね

 見学している最中や面接の時に「施設の印象はどうでしたか?」とお聞きした時に返ってくる答えです。多々お世辞もあるとわかっています。けど、ロングステージの見学では“抽象的な介護観”や“実現可能かどうかわからない夢”を語ることはありません。とにかく、

  ・私たちが今やっている介護を見てください
  ・そして、その介護をあなたがやってみる気持ちがあるかどうかを判断してください

ということをお伝えし、興味を持ってこられたみなさんに判断を委ねているのです。


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 ゲスト本人様の写真を使い、ご家族と一緒の写真を使い、多くのボランティアさんにも登場していただきました。もちろん職員もモデルではなく実際に働いている職員を撮影しています。

 それぞれの回のリードコピーには、私たちの想いを託しました。

  ・第1回  平均年齢90.3歳、最高齢者108歳。
        人生の大先輩と「生きていく喜び」を分かち合う
  ・第2回  大切な人が、たくさん人に大切にされている。
        そのことが何よりも嬉しいです。
  ・第3回  自分でできることは自分でさせてくれる。
        それが一番ありがたい。
  ・第4回  ロングステージなら将来自分がお世話になって
        いいかなと思っています。

 実際にどんな介護をしているのか、ゲストはどんな生活をしているのかをわかっていただくために、施設で生活されている写真もたくさん載せてみました。
 また、施設側の独りよがりにならないように、制作担当者にも足繁く通っていただいて、“取材者のビックリ!”というコラムを毎回テーマを変えて掲載してもらいました。併せて、この『ロングステージ通信』でも取材で感じたことや、私自身の体験談も交えて、新規応募者・転職希望者の気持ちに寄り添うような話をお伝えしてきました。



◆◆◆資格取得研修のサポート → 日々のケアの充実 → 仕事のやりがい

 6月13日から6週間(3回分)再度求人情報紙『タウンワーク』に2P見開き広告を掲載します。今回のキーコンセプトは、

  ・仕事のやりがい

です。

 実は『タウンワーク』と同じリクルート社が運営している『リクナビNEXT』という転職サイト(インターネット)に6月1日から8週間広告を出しています。こちらは転職サイトなので、現職で働いている方、また一旦離職して求職活動中の方へのメッセージなるので、

  ・仕事のやりがいを感じることのできる職場はきっと見つかります

にしています。
 ここでも“あなたの持ち味を活かすことが出来ます”とか“あなたの夢をかなえる環境を整えます”なんていう歯の浮くような台詞は決して書きませんでした。私たちが訴えたのは【私たちが今現場でしていること】です。

 「ギャラップQ12」というアンケートを行いました、その結果、ロングステージ御影で働いている職員は、

  ・上司や仕事仲間は、自分をひとりの人間として認め接してくれる
  ・自分の成長を後押ししてくれる人が職場にいる
  ・同僚が質の高い仕事をしようとしている
  ・職場に何でも話すことの出来る人がいる

という“集団帰属”のような項目は得点が高いものの、

  ・最近一週間で、仕事の成果を認められたり褒められたりしたことがある
  ・過去6ヶ月間に自分の進歩について誰かと話し合ったことがある

のような“自己承認欲求”については充分に応えることができていないということがわかりました。そこで【いいねっ!!】の取り組みなどを始めていったのですが、求職・転職者にとっても、新しい就業先で“自分の居場所があるかどうか”って、まず大切なことですよね。そして、その次は“自分がそこで働き続けることができるかどうか”を考えるのだと思います。この働き続けることができるかどうかを考え決める拠り所が“やりがい”なんだと思います。


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  ・入職後は【ママベビー研修】で慣れるまでサポートします。
  ・資格取得に向けては、スクーリングの勤務扱い・研修費用補助、
   無料の受験対策講座開催と手厚くサポートします。

 そして資格を取得して、日々の介護に活かしていただく。
 介護は、日常生活の延長ですが、専門性を持った介護をしているかしていないかで大きく結果が変わってきます。水分補給ひとつとっても、体位交換ひとつとっても、そこに専門的知識があるかどうかで、ゲストが快適か否かが大きく違うのです。このことを実践して、このことをご家族などにもわかりやすく伝えることが出来るようになれば、本当の一人前。専門性を認められるということは何よりも【自己承認欲求】の充足につながるのです。
 当然【自己承認欲求】が満たされれば、そこには大きな【やりがい】を感じることができます。一生懸命頑張って、自分のことが認められて、そして【やりがい】につながっていく、この連鎖をなんとか形作っていくための努力を私たちは惜しまないのです。

 介護の仕事は、他の職員と競争することではありません。
 ひとりひとりは、ひとりひとりのゲストの対して精一杯のことをする。
 そして、そのひとりひとりの精一杯が、施設全体の介護を良いものにしていくのです。

 個人プレーも大切ですが、集団でするプレーも大切なんです。
 だから、私たちの仕事は、サッカーなどの球技や吹奏楽などに近いものがあるように思えてなりません。自分の役割はきっちりと果たす、自分の果たした役割によって全体の成果が形作られていく。個々の【やりがい】の先には、施設全体としての【やりがい】が控えている(見えている)のだと思います。


◆◆◆“守破離” ロングステージ灘は開設から20年目
        
 同業他施設の求人広告でよく見かける内容です。「あなたの笑顔と優しさを活かせる職場です」、「“ありがとう”と言われることが私の元気です」などという“甘いキャッチコピー”。私も嫌いではありません。むしろ好きなくらいですが、これだけでは介護の仕事の中身を充分に伝えることはできません。
 そしてもう一つこんなタイプの広告も最近よく目にします。「介護業界に新しいトレンドを持ち込みます」、「介護現場に革新とイノベーションを」 なんなんでしょうね。こんなキャッチコピーを作る人たちの考えていることって.........
 「介護の世界は遅れているから革命が必要」とでも考えていらっしゃるのでしょうかね? それとも「古いから革新・改革をしてあげる」と手を差し伸べてくださるのでしょうかね? 全く余計なお世話です!

 いずれにせよ、まずは自ら介護の仕事をしてみて、一通りのことはわかって、そこには失敗や挫折もあって、その結果として【やりがい】を感じて、介護の中身を語ることが出来るようになってから、何か新しいことについて語って欲しいものだと思います。

 ・求職者、転職者のみなさん「新しいことができそう」という甘いイメージに
  引っ張られてはいけませんよ!


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【守破離】という言葉があります。
 デジタル大辞泉より引用
  →しゅ‐は‐り【守破離】
    剣道や茶道などで、修業における段階を示したもの。
    「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。
    「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を
    発展させる段階。
    「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。

 主に武道や芸術などにおける師弟関係のあり方についての考察ですが、物事を習得して一人前になり巣立っていく姿をイメージングする言葉としてわかりやすいと思います。
 介護の世界もまったくこの【守破離】だと思うのです。だから、まず介護を理解習得し自分のものにしておかないと、新しいことに取り組みことは出来ない。つまり、発展させることも、独自の新しいものを生み出すことはできないと思うのです。

 私は1987年から福祉関係の仕事に就いています。その頃から利用者に対する記録は連綿と綴ってきていますし、身体介護に関する手技方法については時代による変化はあるもののその本質は大きく変わってないと思います。時々流行のような方法論が席巻する時もありましたが、(現場と理論実践がかみ合っていないと)使い勝手の悪いものとして廃れてしまうようです。
 私なんてたかだか30年弱です。介護の歴史はもっともっと古い。そんな長い歴史に培われてきた介護を、5年や10年囓っただけでオリジナルを作るなんて.....、簡単に作るなんて.....、できないと思います。
 せめて「破」の段階で日々もがきがんばっていると思いたい私です。

   守 : 介護の型を学ぶ
        →ママベビー研修、日々の介護業務、看取りや緊急時などの経験
   破 : 資格取得に向けて勉強し知識や技術の幅を広げる
       他施設や他業種の状況を咀嚼して現業務の取り入れてみる
   離 : ロングステージならではの介護理論とその実践を日々行う
       (ここまで行けたらいいなと言う段階です)


 長々と書いてしまいました。
 私も【守】と【破】を日々意識し、【離】の高みを目指して踏ん張りたいと思います。

 ご応募、お問い合わせお待ちしております。
このエントリーは、
6月1日公開の『リクナビNEXT』と連動して、
より詳しい内容をお伝えしようと書いています。




 6月1日から転職求人サイト【リクナビNEXT】に社会福祉法人 鶯園 特別養護老人ホームロングステージ御影としてサイトを掲載しています。
 『タウンワーク』を始めとしたフリーペーパーや『アイデム』などの新聞折り込みにも求人広告は出していますが、スマートフォンが重要な情報媒体となった昨今、ロングステージとしても『とらばーゆ』にはサイトを開設し、今回大手転職サイトである『リクナビNEXT』にページを設けたのです。
 原稿を書いていくに当たって、考えたのは次の2点です。

  ・同業他施設の広告とひと味違ったものにしよう
  ・私たちが実際していることから魅力を伝えよう

 2月15日から8週間にわたって2P見開きで掲載した『タウンワーク』でも、“現場・現実・現状をありのままに”という視点に立って、ゲストさん本人やご家族、働く職員、そしていつも良くしていただいているボランティアさんの生の写真と生の声を使って記事を作りました。そして制作担当者は施設に足繁く通ってきてくれていたので、“取材者のビックリ!”というコラムを新しく作ったり、取材通して感じたことを各回のリードコピーとして紡ぎ上げてくださったのです。

 『リクナビNEXT』でも原稿を書いていく上でまず何を訴えようかという“キーコンセプト”作りから、制作担当者と話を進めていくことになりました。営業サイドは当然のことなのでしょうが、“仕事の内容を閲覧者に伝えよう”ということを前面に提案してきます。しかし、今回私は“転職者の気持ちになって”を土台に考えていたので、

  ・転職者へのメッセージ
  ・職場での居所

を“キーコンセプト”にして文章を作るように考えていました。制作担当者・ライターさんを巻き込んで議論をしました。結果、みんなが納得して、

  ・仕事のやりがいを感じることのできる職場はきっと見つかります。

という、メインコピーが生まれたのでした。


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◆◆◆『13歳のハローワーク』村上龍(著)
 娘のために購入した本です(笑)
 2003年に初版、7年後の2010年に新版が出ています。
 「旧版の発行から7年が経ち、新しい職業が増え、仕事をとりまく社会状況も大きく変わっているから改訂版を出すことにしました」ということですが、その「はじめに」という前書き部分で、著者の村上氏は、仕事とは【出会う】ことだと書いておられます。
 13歳の子供たちは「好きなことを探しなさい」、「好きなことを見つけなさい」と言われ、大人になったら「自分を活かす仕事を探しなさい」、「自分に向いている仕事を見つけなさい」と言われ続けるわけです。しかし「好きなこと」、「向いている仕事」も「探して見つかるもの」ではなくて【出会うもの】だとと村上氏は強く主張します。

 そして出会うために必要なことは【好奇心】だそうです。苦手な数学の授業では意識して先生の話を聞かなくてはなりませんが、好きな女の子の表情や仕草には別に努力しなくても自然に引きつけられます。好奇心が刺激されると心が傾くわけです。
 なので、目的の仕事に出会うために、

  ・自分が好きになることのできる仕事がきっとあるはずだ
  ・自分に向いている職場にいつか必ず出会うことができる

と心のどこかで強く思う必要があるのです。そう思っていなければ何かに出会って、心が傾いたときに「これかも知れない!」と閃くことができないからです。


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◆◆◆『これが答えだ!』カート・コフマン (著)
 →1000万人の顧客、300万人の従業員、20万人のマネジャーを対象とした調査から、
  生産性の高い組織とそうでない組織とのちがいが明らかになった。
  それが“ギャラップQ12”と呼ばれる12の質問だ。
  これら12の条件が満たされれば、マネジャーは必ず生産的な職場を
  生み出すことができる!
  1300万人を超える膨大な調査データから導き出された新事実。

 ギャラップQ12
   (リクナビNEXTの写真では見にくいので、ここに全文を書きます)
 Q01:職場で自分に何が求められているかわかっている
 Q02:仕事を適切に行うために必要な材料や道具等が揃っている
 Q03:毎日最高の仕事が出来る機会に恵まれている
 Q04:最近1週間で、仕事の成果を認められたり、褒められたりしたことがある
 Q05:上司や仕事仲間は、自分をひとりの人間として認めて接してくれる
 Q06:自分の成長を後押ししてくれる人が職場にいる
 Q07:職場で自分の意見が尊重されている
 Q08:組織の使命・目的にとって、自分の仕事が重要だと感じている
 Q09:同僚が真剣の質の高い仕事をしようとしている
 Q10:職場で何でも話すことのできる人がいる
 Q11:過去6ヶ月に自分の進歩について誰かと話し合ったことがある
 Q12:昨年、自分を成長する機会を与えられた

 『リクナビNEXT』では、スペースの関係もあって、この12個の問いの内、
 1.3.4.5.6.7.9.11.12の8つ選んで載せています。

 ギャラップ社が行った調査(アメリカの会社ですから、アップルやグーグルなどの大手有名企業が中心)によると、

   ・全世界の平均値は、3.6 (ロングステージ御影は3.5 惜しい!)
   ・平均値が3.8を超えると時間差はあっても成果へとつながり、逆に3.3
    を切ると成果への悪影響が大きいそうです。

 では、ロングステージ御影の得点を
      Q01:3.7
      Q02:3.3
      Q03:3.1
      Q04:2.9
      Q05:3.9
      Q06:3.7
      Q07:3.4
      Q08:3.5
      Q09:3.7
      Q10:3.9
      Q11:3.0
      Q12:3.3

 高いのは、Q05、06、09 どうやら上司や職場仲間との関係は良いようですね
 低いのは、Q03、04、11 なかなか褒められたり認められたりすることがない
 最高得点はQ5の3.9「上司や仕事仲間は、自分をひとりの人間として認めて接してくれる(気にかけてくれる)」です。
 一方最低得点はQ4の2.9「最近1週間で、仕事の成果を認められたり、褒められたりしたことがある」でした。私も“仕事を認めたり褒めたりしたこと”があるかなと胸に手を当て考えてみました。
 寮母長や相談員など上位職者に尋ねてみても「そうかもしれない.....」という感想です。つまり、御影の組織は「職員への気遣いはできているのだけれども、日々の仕事内容や成果に対する“承認”が充分ではないので職員が満足していない」ということなんだろうと推測しました。


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◆◆◆“いいねっ!!”カードの取り組み
 そこで「褒める・認める」取り組みを始めました。

  ・“いいねっ!!”カード

 職員が職員に手渡す“あなたのことを見ています、“ありがとね、助かったわ”という意味合いのカードです。一応「MIND」に基づいてという基本はありますが、なかなか面と向かって「ありがとう」と言えないことでも、後でさりげなく伝えることができるようにとカード方式にしました。最近では“いいね!!”の別バージョンとして“感謝(ありがとう)”カードもできて、この活動を続けています。

 3ヶ月毎に集計しています。
 もらった数、贈った数を集計します。
 直近の2月~4月期の集計では、

  ・もらった数1位(同率で2人)  24枚  2位(22枚) 3位(20枚)
  ・一番多く贈った人  15枚

でした。
 各受賞者には、私の名前で表彰状を授与します。
 そして、名札に付ける光る星のプライズマーク(シール)も併せて贈ります。

 小さな取り組みですが、やる前と較べてQ4に点数はあがりました。でもQ11がいまいち上がってきません。次の取り組みは、

  ・自分自身の成長感と、上司の承認とのギャップ、
   その解決のためのコミュニケーション

だなと考えています。現状把握だけではなくて、次の取り組みのためにも有意義だったギャラップQ12でした。

 実はこの取り組み、私が主導したわけではなくて各フロアリーダーが中心となって構成している「ユニットケア学習会」が行ったのです。集計は秘匿性の都合上私が行いましたが、“いいねっ!!”カードの取り組みについてもリーダーたちの発案によるものです。もちろん“コンサルト会社”が入っているわけでもありません。


 転職希望のみなさん、【出会い】に来てみてください。
 ロングステージ御影が、「好きになることのできそうな職場」であり、「自分に向いてそうな職場」であることを願っています。


 もう一文『13歳のハローワークから』

 世の中の仕事は全て、お客様のニーズがあるから成り立っています。しかし、その仕事がなかったら、その仕事をしているあなたがいなければ、自分は穏やかな毎日を送ることすらできないというくらいのお客様の切実なニーズを受けて働ける仕事は、世の中にそう多くはないだろうと思います。お客様の生活全般にこれほどまで深く、そして長く関わる仕事は他にはほとんどないと言ってよいでしょう。
 決して楽しいことばかりではありません。お客様と深くかかわって、お互いの心の底をぶつけ合えば合うほど、本気で腹の立つこともある仕事です。でもその分だけ「あぁ、この方は本当はこういうことが言いたかったんだ」とか、「自分をこういうふうに見てくれていたんだ」とか、気持ちが通ったときの喜びはひとしおで、きっと一生の宝物になります。
 そして、どうか信じてください。何年か経つと、腹の立ったことや苦しかったことはどんどん薄れていって、心の中にはそうした宝物がたくさん残るのです。
       『13歳のハローワーク(スペシャルエッセイ)』 武田雅弘氏より抜粋

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