12月3日(木)、来春入職予定の職員が集まり、第2回の内定者研修会を行いました。今回の講師は、

 ・下村恵美子さん  福岡にある“宅老所よりあい”代表

にお願いしました。簡単に下村さんのプロフィールをお知らせします。      

 ・下村恵美子さん
    高校卒業後、金融機関に働く。「祖母のぼけの世界」と付き合
    って30歳で「人間相手の仕事がしたい」と福祉大学へ入学。
    平成3年11月より宅老所に取り組む。宅老所よりあいの代表、
    福岡県ひかり福祉会常任理事を務める。著書に『98歳の妊娠』、
    『あれは自分ではなかったか』などがある。

 今までにも何度か講演会に参加したこともありますし、三好春樹さんと一緒にセミナーを開催し、宅老所発の現場での実践を、熱くそして時には涙ながらに話される姿は同じ喜びや悩みを抱えている介護職員に圧倒的な支持を受けておられます。そんな、下村さんにお忙しい中、博多から来ていただくことがかないました。

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3時間と少し、たっぷりとお話しいただきました。下村恵美子さんです。


 事前の打ち合わせで講演のタイトルは、

  ・『最期まで生きることにつきあう、家族から看取りから学んだこと』

 と決めていました。新神戸駅から施設までの車中で、今回の受講生が来春入職予定の内定者という話を下村さんにすると、

  ・介護職員としてのやりがいやよろこびを

 ぜひ伝えたいということになり、急遽、

  ・下村さんが一般企業に就職しながらも福祉の道を選んだ理由
  ・精神病院から特養、そして宅老所と老人介護を続けている理由

 を、ターミナルケアの話と併せてしていただくことになりました。
 他の講演やセミナーでは聴くことのできない内容になりました。

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熱心に聴く内定者のみなさん、下村さんの話をこの人数で聴けるなんて贅沢ですよ!


 やはり、最後は涙になりました。お亡くなりになられたお年寄りの話をしているとどうしても感情移入し、その頃に時間が戻ってしまうのでしょうね。共に頑張った、共に老いた、そして共に喜び悲しんだからこそ、思い出すことができるエピソードであろうし、話せば流す涙だと思います。
 ターミナルケアの神髄はここにあるのだと思います。概念論や技術論だけではない。人と人との繋がり、そして時の流れの共有、なにより老いの喜びも苦しみもその両方を、本人・家族・施設で分かち合うことができればこそ、涙を流して讃え合うことができるのだと思います。
 下村さん、素敵なお話ありがとうございました。