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スタッフブログ

このエントリーは、10月31日発行(公開)の、
求人情報誌(フリーペーパー&WEB)『タウンワーク』
と連動させて、より詳しい内容をお伝えしようと書いています。



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「それでも長生きできてよかった」
そう思って頂くことが私たちの仕事だと思う。



◆◆◆『八日目の蝉』って読んだことがありますか?

 平成19年初版、角田光代氏の書いた長編小説です。
 第2回中央公論文芸賞を受賞しています。
 物語は、偽りの親子の逃避行。
 井上真央と永作博美のW主演によって映画化もされているし、TVドラマとしてNHKも放映していたので、観たことがある方もたくさんおられるのではないかと思います。

 物語のタイトルと、重要な台詞(暗喩)として蝉の話がでています。

  →蝉って、何年も土の中にいるのに、地上に出てきたらすぐに死んじゃうって
   知ったとき、びっくりしなかった。
   三日だか、七日だか、ちゃんと知らないけれど、ずっと土のなかにいたのに、
   生まれてきてそれっぽっちで死んじゃうなんて、あんまりだって、
   私、子供のころ、思ったことがあるんだよね。
   でもね、大人になってからこう思うようになった。
   他のどの蝉も七日で死んじゃうんだったら、べつにかなしくないかって。
   だってみんな同じだもん。なんでこんなに早く死ななきゃいけないんだって
   疑うこともないじゃない。
   でも。もし、七日で死ぬって決まっているのに死ななかった蝉がいたとしたら、
   仲間はみんな死んじゃったのに自分だけ生き残っちゃったとしたら、
   その方が悲しいよね。

  →前に、死ねなかった蝉の話したの、憶えている? 七日で死ぬよりも、
   八日目に生き残った蝉のほうが悲しいって、あんたは言ったよね。
   私もずっとそう思ってきたけど...... それは違うかもね。
   八日目の蝉は、他の蝉には見られなかったものを見られるんだから、
   見たくないって思うかも知れないけれど、でもぎゅっと目を閉じてなく
   ちゃいけないほどひどいものばかりではないと、私は思うよ。


◆◆◆高齢者介護の八日目以降
 
 七日目まではたやすくイメージできると思います。
 よく見かけるテレビコマーシャルや広告です。

  ・快適な居住空間
  ・充実のイベント、サークル活動
  ・安心の生活支援サービス

 自分のことが自分でできている高齢者(または予備軍)がイメージする、終の棲家に期待するのはおおよそこの三つではないかと思います。
 快適に過ごすことができて、適度に楽しむことがあり、いざというときにはそれなりに助けてくれる、なんとなく“豊かなで楽しい老後”という、実態はよくわからない幻想なのかも知れません。

 もしも、自分のことが自分でできなくなった時がきたとしたら...... それは、想定外のこと、思いもしないこと、ほとんどの人とは自分で自分のことができなくなる時までに死んでしまう。だからみんな同じ、“自分のことができなくなってしまうということが起こるかも知れない”とは考えないのです。それよりも、今が快適で、心地よければそれでいい。みんな同じように死んでいくのだからと漠然と願っているのです。。
 七日目に死ぬ蝉たちと一緒です。

 けど、八日目以降以上生きることができる方もいらっしゃるのです。
 自分のことが自分でできなくなってはいるけれども........

  ・人のお世話(特にシモの)にはなりたくない
  ・呆けてしまったらどうしようもない

 果たしてそうなんでしょうか?
 みんなと同じ生活ができなくなるなら、みんなと同じように同じような時期に死んだ方がいいと考える幻想なのではないのでしょうか。

 私たち介護の現場で働いている職員は、八日目以降を知っているのです。

   ・身体が思うように動かすことができない
   ・認知症で“今、どこ、何を”なんていうことがわからない

 方から、最期には、

   ・意思疎通を図ることができない
   ・自分の力で食べることができない

 方までお世話をさせていただいています。



◆◆◆私たちは、葛藤をはね返す瞬間を見て知っている


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 夜勤が終わったあと、ベッドサイドレールに身体を預けてゲストの顔を一心に見つめている職員がいました。時々話しかけているかのような声が聞こえてきますし、頬をなでたり前髪を整えたりもしているようです。Tさんは終末期に入っていますので、目に見える反応はすでにありません。職員はTさんに思い出話をしているのでしょうか。それとも励ましの言葉をかけているのでしょうか。1時間あまりそうしていたようです。
 何度か振り返りつつ退勤したその夜、Tさんは帰らぬ人になりました。職員はわかっていたのでしょうね。“もうお会いできない”ということを......


 →八日目の蝉は、他の蝉には見られなかったものを見られるんだから、
  見たくないって思うかも知れないけれど、でもぎゅっと目を閉じてなく
  ちゃいけないほどひどいものばかりではないと、私は思うよ。

 身体が動かなくなったその先、認知症を発症したその先、豊かで楽しい老後のイメージからは逸脱してしまった道なのかも知れません。
 でも、七日目までしか見ないような人たちは、決して見ようとしない八日目があるのは間違いありません。
 私たち現場の職員は、八日目以降の世界を知っていますし、そこがどんなものなのかもわかっています。

 特別養護老人ホームで暮らすゲストの方々の生活は、見たくないもの・見せたくないものではありません。
 八日目以降には八日目以降の世界がしっかりとあるのです。
 七日目までしか知らない、想像できない人たちは忌み嫌う世界なのかも知れません。
 角田光代さんの傑作を、こういう風に読み取ることって無理がありますかね。


 →ぎゅっと目を閉じてなくちゃいけないほどひどいものばかりでないよ

 『八日目の蝉』で保護された秋山恵里菜が“優しかったお母さんは私を誘拐した人でした”と回想した野々宮希和子。
 彼女が、不倫・誘拐、逃亡という常識(七日目までの蝉の世界)から先の世界(八日目以降の蝉の世界)で見たものは、ひどいものではなかったのだと思います。
 “優しかったお母さんは私を誘拐した人でした”は文庫本の帯コピーなんですが、本文にもこんな台詞があります。希和子が宮田京子として働いていた工場の女将さんだった沢田昌江は「あんたが野々宮希和子じゃなくて、宮田京子だったらどんなにいいかって、今でも思っている」と結審後語っていたと。
 八日目の世界での出来事への肯定であり、野々宮希和子に関わった人たち(読者も含めて)への救いだと思います。
◆◇◆リードコピーに気持ちを込めて◆◇◆


9月5日現在、求人情報サイト・求人フリーペーパーに掲載している、
ロングステージ神戸事業の“リードコピー”を集めてみました。
現場・現物・現実をしっかりと伝えることができるように、
実際の施設の中での出来事を写真と文章にしています。
私たちの“思い”を伝えたいと一生懸命考えて作っています。




○リクナビNEXT
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仕事のやりがいを感じることのできる職場は、きっと見つかります。



 「自分に向いている職場に、いつか必ず出会うことができる。」
 その想いを、持ち続けてほしいと思います。

 転職活動は大変なことが多いですし、
 別の業種や職種へ飛び込むには、勇気も必要。
 それでも、「いつか必ず出会うことができる」という希望を持って、
 頑張ってほしいと思います。

 では、「自分に向いている職場」とはなんでしょう。
 働くことによって手に入れられるものは、
 お金や地位だけではありません。
 それが得られるだけでは、充足感は少ないと思います。
 大切なのは、
 「社会とつながっているという意識を持てること」
 働くことで社会から必要とされ、
 他人に認められているという感覚を持てるからです。

 自分に合う職場で働くことによって得られるのは、
 自分がやりたいと思うことに挑戦する充実感。
 一生懸命取り組んだ仕事が成功する達成感。
 職場で友人や仲間を得て、集団や組織に所属することで、
 自分の居場所を確かめることもできます。

 数多ある職場の中には、
 必ずあなたの自己実現欲求を満たせるような場所はあります。
 もし、ロングステージがあなたの居場所になれたなら幸いです。

リクナビNEX→
  http://next.rikunabi.com/company/cmi1683035003/nx1_rq0013604759/



○はたらいく
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お人好しなだけじゃない。私の生き方に、この仕事が必要なんだ。



 昔から、お年寄りとお話することが好きだった。
 人を笑顔にする仕事、人を助ける仕事に惹かれたのは、そこが原点であったと思います。
 仕事を通して、苦しんだり、自信をなくしたり、喜んだり、感動したり。
 どんな仕事も、自分が選んだ生き方です。
 他でもない自分自身が、この仕事を必要としているんだ。
 そう思える瞬間を大切にできる職場でありたいと思います。

 働くことによって手に入れられるものは、
 お金や地位だけではありません。

 自分がやりたいと思うことに挑戦する充実感。
 一生懸命取り組んだ仕事が成功する達成感。
 職場で友人や仲間を得ることで、
 自分の居場所を確かめることもできます。

 ロングステージでは、そういったいわゆる「仕事のやりがい」を感じられるよう、
 職員に向けてアンケートを実施。
 その結果から、表彰状や「いいね!カード」の導入など、
 職場環境や職員同士でのお互いの働きかけを常に改善していっています。
 職場に来ることが楽しい。そう思っていただけるように、今後も工夫していきます。

 異業種からの転職者も多数いますが、
 最初は戸惑いつつも、ゲストのために、丁寧な介護を行う。
 そして、それを誰かが見ていて評価してくれる。
 その環境で働く意義を見出してくれているように思います。

 仕事をイチから教えるだけではなく、
 自分の仕事に満足できる働き方や、
 周りから認められる環境など。
 気持ちよく働けるように、最大限のサポートを行います。

はたらいく→
  http://www.hatalike.jp/h/r/H103010s.jsp?RQ=44045897&LA=009


○タウンワーク(入居施設合同募集)
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誰かにこういう顔をして欲しいから、人は何かをするんだ。



 仕事を通して、苦しんだり、自信をなくしたり、喜んだり、感動したり。
 どんな仕事も、自分が選んだ生き方です。
 「他でもない自分自身が、この仕事を必要としているんだ。」
 そう思える瞬間に、たくさん出会える職場だと思います。

『タウンワーク』三宮・神戸東・芦屋・西宮版、三宮神戸西版



○タウンワーク(ロングステージ御影パート職員募集)
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私の働く場所は、ここなんだ。



 ブランク有や扶養内で働きたい主婦さんも多数活躍!!
 その理由は…
  ▶週3日から、日数・曜日相談OK!
  ▶無資格でも◎ 有資格者は手当有り。働きやすい環境作りをしています。

『タウンワーク』三宮・神戸東・芦屋・西宮版



○リードコピーは、私たちの夢の続き○

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もっともっと、素敵な写真も撮ってみたいし、
もっともっと、心に響く文章を書いてみたい。
働いている私たちは、夢がある。
その夢の続きを、追い求めていくために、
これからも、私たちの今を、しっかりと伝えます。
このエントリーは、7月11日発行(公開)の、
求人情報誌(フリーペーパー&WEB)『タウンワーク』
と連動させて、より詳しい内容をお伝えしようと書いています。


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お伝えしたいのは(やっぱり)“仕事のやりがい”



◆◆◆7回分の原稿を見直してみました。

 2月から、ロングステージでの生活や職員の様子をどうにかして伝えたいと原稿を書いていきました。
 朝出勤して、パソコンを立ち上げます。
 そしてケア記録のソフトを開きます。
 昨夜から今朝にかけてのゲストの様子がびっしりと書き込まれています。
 ざっと読んでいきますが、文章量が多いところは何かがあったということです。
 このような記録を毎日毎日読んで、毎日毎日報告を聞いているので、私の書いている文章は生々しくてブレがないのだと思います。
 何かの都合で1年前のメールを読んだりすることもあるのですが、書いてある文章の内容や体裁が今と一緒なんですよね。
 内容は新しいのですが、その底流には同じ思いがあるのです。
 ここって、大事なことだと思います。

 そのブレない思いの一番は何かと聞かれたら、“仕事のやりがい”を伝えてたい。
 “介護の仕事の魅力”を伝えたいということに尽きるのです。



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 私のような身内が、このようなことを書いているとどうしても“身びいき”だと思われてしまいます。
 なので、今回の広告シリーズには、ゲストや家族の生の写真を使い、広告会社の担当者に記事を書いていただきました。
 写真は、事実を切り取りますし、取材した文章は客観的だと思います。

 けど、“仕事のやりがい”については、何とか私たちから伝えたい。
 でも、あまり熱く語りすぎると、独りよがりの文章になってしまいます。

 なので、よく読んでいる本の一説を引用します。
 著者は『ストロベリー・ナイト』や『ジウ』などでとっても有名な誉田哲也氏。警察小説の切れの良さには定評があります。
 この誉田氏のもう一つの面白い(私はこちらの方が好きですが)ジャンルが『武士道シックスティーン』の武士道シリーズや『疾風ガール』の音楽もの、そして『幸せの条件』などの“しあわせさがし”ものなんです。
 読み返してみれば、武士道シリーズも音楽シリーズも、自分の立ち位置や居場所を探して見つけていく物語でした。この“しあわせさがし”『幸せの条件』で見事に集結していますが、ここでは『世界で一番長い写真』で、主人公の従姉妹である美人で性格男前のあっちゃんの台詞から、

  →「あのな、前にあたし、ギャンブルは悪魔の取引だって、いっただろう」
   そうだったけ。あんまりよく憶えていない。
   「なんでだか分かるか」
   「いーえ、わかりません」
   「だからよ、ちっとは自分で考えろっつってんだよ」
   「わかんないよ。だって僕、ギャンブルやったことないもん」
   そっか、と珍しくあっちゃんは納得した顔をし、タバコを灰皿で揉み消した。

   「つまり・・・・・たとえば、分かりやすくパチンコ屋を例にとるとだな、
   客が勝って喜んでいるとき、店側は泣いてんだよ。
   客が負けて泣いているとき、店側は必ず、腹抱えて笑ってんだ。
   ザマーミロってな・・・・・
   たいていのギャンブルってのは、本質的にはそういうもんだ」
   はあ。
   「でも、そういうのってやっぱ、なんか間違ってんだよ。
   売る側は、客に喜んで欲しいからいいものを作る。
   客はそうやって作られた、いいものを選んで買う。
   売る側は買ってもらってありがとう。客側も、いいものをありがとう。
   やっぱ、世の中、そうやってお互いのためにならねえと、
   まわっていかねえんだよ・・・・・
   ほい、できた。アツアツのハムチーズサンドだ。温子だけに」

   どうしたのあっちゃん。今日、やけに真面目じゃない。
   最後のダジャレは余計だと思うけど。

   「ありがと・・・・・いただきます」
   まずはひと口。パクッといった途端、中からアツアツのチーズが
   溶け出してきて舌を火傷しそうになったけど、
   でも、何これ、すっごく美味しい。
   ハムもチーズもコクがあってちょっと何かがピリッと利いていて、
   あと、ピーマンもいいアクセントになってる。
   これ、ちょっと絶品だよ、あっちゃん。

   「つまり、そういうことだよ」
   「えっ・・・・・何が」
   「お前いま、美味しくて笑ったろ。ニコッとしたろ」
   うん、たぶん、したと思う・
   「それなんだよ、誰かにそういう顔をして欲しいから、
   人は何かをするんだよ。
   誰かがそういう顔をしてくれるから、
   人は仕事を頑張ったり、何かに打ち込んだりできる・・・・・
   松本さんだって、たぶんそうだったんだと思うよ。
   本当はギネス記録がどうこうより、自分の作ったカメラで、
   たくさんの人が笑ってくれる、
   楽しんでくれる。そういうことを確かめたくて、
   だから頑張ったんじゃないか・・・・・って、
   そんなことをあたしは、ちょっと、あの現像現場を見て、思ったんだ」


 高齢者介護の現場で働いていれば、日常茶飯事とまではいきませんが、かなりの確率で体験することができると思います。
 もちろん、ママベビーの期間ではなかなか感じることができないかもしれません。
 でも、がんばってこの感覚に出会って欲しい。
 そうすれば、きっと仕事に誇りを持つことも出来るだろうし、ずっと介護の仕事を続けていくこともできるのだと思います。


 いつも長文になっているブログを読んでいただいてありがとうございます。
 2ページ見開きの広告は、7月11日と18日発行分で一旦完結します。

 あとは、WEB媒体である『はたらいく』や『リクナビNEXT』で情報を発信していきます。
 できれば“MIND”に共感してくださる方に出会いたいと願っています。
 見学会も、まだ続きますし、他の日程が希望であれば気軽に連絡してください。
 写真のまんまの施設と、この文章のまんまの職員がお待ちしております。

 では、 See you later.......
 いままでは【とらばーゆ】でした。
 今週から【はたらいく】に切り替えています。
 
  ・知っておいて欲しい、いいところ、大変なところ

を書き綴った“せきらら求人”

 そして、神戸の街にやってきて働きたい人対象の“UIターンバナー”などを特徴にしています。
 今まで通りの『タウンワーク』も発行しています。
 暑い日が続きますが、ご応募お待ちしております。 
このエントリーは、6月27日発行(公開)の、
求人情報誌(フリーペーパー&WEB)『タウンワーク』
と連動させて、より詳しい内容をお伝えしようと書いています。



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ロングステージらしい日常の介護とは?



◆◆◆マインドに込めた意味

 『MIND』は私たちの行動指針です。
 “ゲストのために”が全ての基本であり、その内容を1枚のカードに収めて職員は常 時携行しています。
 平成9年灘を開設し、その4年後(平成13年)KOBE岡本を開設するときに、当時の職員が中心となって“自らの手で”作り上げたものです。さらにその4年後(平成17年)に開設された御影でもその精神は引き継がれ、最も新しい施設のKOBE大石(平成21年開設)でも『MIND』に沿ったケアが行われています。
 平成13年から平成28年まで、介護の世界を取り巻く状況は大きく変わりました。でも『MIND』の精神は変わりません。しっかりとロングステージの風土として息づいているのです。

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このカードを職員は常時携行しています。



◆◆◆示して介入するのが専門性

 『MIND』を基にした日々の介護についても、2ページ見開きの広告で書き込んでいます。入浴、移乗、排泄、食事についてのこだわりを小さな写真と共に載せています。

 入浴
  →たっぷりのお湯に浸かって疲れを癒やす。
   日本独自の文化ではないかと思います。
   外国の福祉施設を視察に行っても“浴室”はまずありません。
   身体の清潔はシャワーで行う文化圏だからだと思います。
   この“浸かる”という行為を大切にしています。
   なるべく自分で“浸かる”そのために、個別浴槽でのマンツーマン入浴を行い
   っています。
   浴槽の高さは40?、椅子の座面と同じ高さです。
   なので座れる方は家庭にあるのと同じ浴槽に入ることができるのです。
   長い人生で初めての経験になる“機械浴”は極力使うことがないようにしてい
   ます。

 移乗
  →“手を取る動きひとつのも想いがあります”
   まさにこの言葉の通りで、触る場所や力加減を考えて介助を行います。
   ゲストの残存能力を出来るだけ使っていただくということと、
   私たちはできるかぎり少ない力でのお手伝いをするということです。
   介護は「力仕事」ではありません。もしも力任せにやってしまうと、
   身体には傷がつき、心は通わなくなってしまうのです。

 排泄
  →タイミングを合わせて座ってもらう。
   排泄介助の基本であり全てです。
   私たちは日常生活の中で、タイミングを合わせて排泄することを
   無意識のうちににしているのです。
   でしょ、誰も大事な会議の際痛にトイレには行きませんし、
   そこらへんで立ってすることなどありえません。
   排泄ケア=おむつの当て方ではありません。
   もちろん“おむつ”の必要なゲストもおられます。
   トイレで自分でするからおむつまで排泄ケアには様々な段階があるのです。

 食事
  →今、一番難しいのは食事ケアなのだと思います。
   「食べること」=「生きること」のように考えてしまいます。
   自分で食べることが出来なくて靱帯を通して栄養をもらっていた胎児。
   オギャーと産まれて液体(母乳ですね)で育っていく赤ちゃん。
   成長するにつれて、流動状(離乳食)、半固形(幼児食)と形態がだんだん
   大人が食べているものと同じになってきます。
   お年寄りはこの行程の逆なのでしょうか。
   だんだん固形物を食べることが出来なくなってくる。柔らかめになって、
   一口大に、そしてゼリーやソフトになっていきます。と同時に食べる総量も
   減っていって、一日の必要維持量を食べることさえ難しくなっていきます。
   この状態からのケアが、私たちにとって今一番の課題なのです。
   “美味しくて、安全で、楽しむことができる食事”職員一丸となって
   取り組んでいます。

 私たちは、生活に関わる事項について“どのような介護”を行っているかを説明させていただきます。
 “歩かせて欲しい”、“おむつでかまわない”、“たくさん食べさせて欲しい”という願いをご家族から聞くこともありますし、ゲストの中には自らケアについての要望をおっしゃる方もおられます。取り入れるべきことは取り入れていくのですが、私たちはしっかりと介護方法を提示させていただいた上で、介入していく方向を選んでいます。
 もちろん、最終決定をしていただくのはゲスト本人さんやご家族の意思に添う形になるのですが、施設の経験知としての体験をわかりやすく説明させていただいて“その人らしさ”を共に考えさせていただければと思っています。


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優しさと思いやりはこのようなところに表れるのです。
 



◆◆◆ロングステージは“体育会系”なのかも!

 今回もロングステージ御影のゲストAさんと奥様に登場していただきました。
 第1シリーズ(2回目)には、

  →大切な人が、たくさんの人に大切にされている。
   そのことが何よりも嬉しいです。

 のとってもありがたいお言葉を頂戴したおふたりです。
 施設の特徴については今までもたくさん語ってきましたので、求職者のみなさんが、新しい職場を選ぶ際に考えていただきたい点について少し書いてみます。

 職場で長く働き続けるのに大切なことは、自分の思いと職場の風土が合っていることだと思います。
 でしたら、職場の風土ってどうしたらわかるのでしょうか?
 実際に見学してみて感じていただくことが一番なのですが、ちょこっとだけ文章にしてみたいと思います。

 ロングステージ御影で働いていて、ここの組織って“体育会系”だなぁと感じるときがあります。「若い女子中心の職場で介護をしているのになんで?」と思いますよね。
決して、ガテン系で体力勝負の集団だと言いたいわけではないのです。

 ・協調性があって、秩序を守り、思いやりがあって、活動的で、緻密である

 チーム一丸となって、ルールを守り、先輩後輩同僚のことを考え、熱いハートとクールな頭で結果を出す。あらゆるスポーツに通じるものがあると思うのです。

   協調 ←→ 競争    協調の良い面:気を遣う         
   伝統 ←→ 革新    伝統の良い面:秩序を守る     
   情熱 ←→ 理性    情熱の良い面:思いやりがある
   行動 ←→ 思考    行動の良い面:活動的
   緻密 ←→ スピード  緻密の良い面:丁寧、慎重

 逆に見てみれば
   競争の良い面:リーダーシップがある
   革新の良い面:将来を見越すことが出来る
   理性の良い面:理性的、落ち着き
   思考の良い面:深みがある
   スピードの良い面:結果を早く出す


 どちらが良いか悪いかではないと思います。
 それぞれの業種・企業によってこの5つの軸のどちらを優先しているかが“風土”だと思います。
 例えば、競争と行動を優先する企業は、証券会社やベンチャー企業でしょう。
 これが競争と思考を優先するのなら、コンサルタントに向いているのかも知れません。
 協調と思考を優先すれば、研究者になったりメーカーでシステム開発などに従事してのかも。
 そして、協調と行動を優先するのが“体育会系”
 ロングステージ御影もここに位置すると考えているのですが、似たような他業種にどんなものがあるかと考えてみると、総合商社や広告・マスコミ、流通業などに近いのかも知れないかと思います。
 よく介護はサービス業だと言われますが、むしろ“大きな共通の目標にみんなで立ち向かっていく”という視点で捉えていただいても良いのではないかと思います。

 事実、大学や高校で体育会系の活動をしてきた職員も多数いますし、文化系でも吹奏楽部でしごかれてきた職員も在籍しています。

 ひとりひとりが目の前の課題に挑戦しやり遂げることによって、チーム全体の勝利に結びつけることができる。
 この喜びを味わうことが出来るのが、ロングステージの風土だと思います。

 就職後のリアルをぜひ感じに来てください。
 見学会、絶賛開催中です。
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