タウンワークの原稿を更新しています(11月16日発行分)
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 高さ40?、イスに座る感覚で入れるお風呂です。
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  →長年の介護ノウハウを駆使して普通のお風呂にお一人づつ
   入浴できるように取り組んでいます。
   「介助浴」って機械でお風呂にはいることだけではありません。
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 私が介護の世界に入った○十年前、「入浴日(当時は毎日入浴介護があるわけではなかったのです…)」には、栄養ドリンクを飲んで“気合”を入れて出勤したものです。
 入浴日は、老人ホーム全体が入浴で動くのです。
 設備は、大浴場とリフト浴槽だけ、
 職員は、短パンTシャツ姿になって浴槽にまで入って介護していました。

  ・誘導 → 居室から浴室まで誘導する係
  ・外介 → 主に脱衣室で更衣介助をする係
  ・内介 → 主に浴室内で洗身や洗髪をする係
  ・整容 → 髪を乾かしたりお化粧をする係、水分補給も併せて行う係
 それこそ、職員全員が一致協力して入浴介助を進めていたのです。

 午前中に何人、午後から何人と、入浴の順番が書いた表が貼ってありました。
 ひとりひとり着実にこなしていきます。
 午後3時過ぎ、あと数人になりました。
 午後4時やっと、全員の入浴が終了しました。
 あとは、後片付けだけです。

 当時は、当たり前と思って業務に入っていました。
 でも、この方法っておかしいと気がつき出しました。

  ・職員の都合でゲストの入浴“させている”のです。

 この反省から、ゲストの都合に合わせた入浴方法が考えられるようになってきました。
 それが、

  ・マンツーマン入浴方式への変更
  ・個別浴槽(家庭浴槽)の活用

 だったのです。

 入浴はとてもプライベートなものです。
 できれば、ゆっくりとひとりで入りたい、誰もがそう思うのではないでしょうか。
 それを実現するために、

  ・大きな浴槽ではなく、個別浴槽(家庭浴槽)を設置し、
  ・身体状況に合わせた入浴機器を準備することにしたのです。

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 特に個別浴槽(家庭浴槽)は、ゆったり自分のペースで入ることができると好評です。
 また、介護する職員にとっても、ゲストと長い時間関わることができるので状態がよくわかると評判が良いのです。
 家の浴槽と違って、少しだけ掘り込んで浴槽を埋め込んでいます。
 なので、縁の高さが約40?、ちょうどイスの座面と同じ高さになっているのです。
 だから、座る要領で、縁に腰掛けて、お尻をずらしていくと浴槽に楽に浸かることができるのです。
 浴槽から出るときはどうするかって?
 それは、浮力が働くのです。
 物理的な力“浮力”を使って、筋力がそう強くないゲストで浴槽から上がってこられます。

 それでも、この浴槽に入ることができないゲストももちろんおられます。
 身体が突っ張ってしまい手足を曲げることが難しい方(伸展位拘縮)、逆に麻痺によって手足が折り曲げた部位で固まってしまい伸ばすことが難しい方。
 このような身体状況のゲストには、それぞれ専門の機器で入浴していただけるようにしています。
 但し、この場合も入浴担当者は誘導から整容までを一貫した流れで引き受けます。
 脱衣室で待たされたり、入浴する時間よりかなり前に浴室に誘導されるなんてことはありません。

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 【チェアーインバス】 座った姿勢のままで入ることのできる浴槽です。

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 【リフト浴】 寝たままの姿勢で入ることのできる浴槽です。

 個別浴槽とチェアーインバス、そしてリフト浴を組み合わせて、マンツーマン方式で入浴介助を行っています。

 注:併設のデイサービスセンターには、大浴場もあります。