『タウンワーク11月30日号』に、
  ・トイレの写真を単体で載せました。
 私の知る限り、介護専門媒体でない紙面に、トイレ単体の写真を、製品の宣伝ではなく載っているのを見かけたことがありません。
 この広告を出すには、相当な“決意”が必要でした。

 この決意を促してくださったのも、広告会社の営業担当者とのやりとりでした。

  ・○○さんって、トイレはどこでします? いつします?

 なかなか、しにくい質問ですが、そこはあっさりと聞きました。

  ・トイレで、行きたくなったとき。

 こう答えていただきました。そして、

  ・行きたくなくても行くときってありますよね。

 ちょっと考えて

  ・寝る前や大事な約束がある前、電車に乗る前なども行きますね。

 とのこと。

 実は、この会話の中に排泄ケアで大切にするべきことの大部分が含まれているのです。

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 「トイレはトイレでする」を大切にしています。
  →座る姿勢とタイミングに着目しトイレでできるようにサポート◎
   “環境”を整えることでスタッフの負担も減り、ゲストのいきいきしてきます!

 「トイレはベッドの上でするもんじゃない」
  →スタッフがサポートできる環境であれば、
   座ってトイレができるようになります◎
   ゲスト(利用者)のためにも、スタッフのためにも、
   排泄ケアに力を入れています。
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 みなさんが、トイレに行くタイミングと、その時の姿勢を考えてみてください。
 朝起きてすぐ、朝食の後、出勤する前、昼食の前後、3時の前後、会社から出るとき、
 夕食前、入浴の前、就寝前、少ない方でも6回ほどは行くことだと思います。
 その内の何回かは、大きい方も一緒にしていると思います。
 そのタイミングを、2時間おきとか3時間おきで決めていませんよね。

 そして、トイレでは便器に座ってしていると思います。
 尿も便も、重さがあるので、上から下へは流れやすいのです。
 つまり、尿道や直腸の方向をなるべく下向きに合わせて排泄を行う。
 筋力が弱って“いきむ”ことが難しくなってきたゲストの方にも、もちろん私たちにも、重力は平等に働いてくれます。
 なので、座ってすることは、理にかなっているし、楽なんです。

  ・出るタイミングに合わせて(トイレに)座ってもらう

が、排泄ケアの基本になります。ただ、出るタイミングがわからなくなってしまっているゲストもおられるので、

  ・出るかも知れないタイミングに合わせて座ってもらう

ということも、行います。

 それでも、おむつを使っている方もおられます。

  ・排泄ケア=おむつ交換

ではないということを知ってもらいたい。
 自分でトイレに行くことができるように援助していくことも排泄ケアだし、水分補給を促したり、腸内環境を整えて、気持ち良く排泄していただくように導くのも排泄ケアです。

 前回は、自分でお風呂に入ることができるように援助するための浴槽の工夫について書きました。
 写真はどこにでもあるような障害者用のトイレです。
 でも、“姿勢”と“タイミング”に着目すると、排泄ケアが一気に進むのです。