昨日までクリスマスデコレーションの施設内でした。
 街中のショーウィンドウやホテルのロビーなどもそうですが、この一日で装いが“迎春”モードに切り替わっていきます。


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 26日午前、グループホームでお餅つきをしました。

 日本経済新聞12月24日夕刊『あすへの話題』
 “お正月と伝統文化” 奈良県立柏原考古学研究所所長 菅谷文則
   →子供の頃のお正月は楽しかった。
    まず年末に行う準備作業が楽しみだった。
    餅つきをし、手祝(ていわい)だといってあん餅や大根おろし餅を食べた。
    おせちは自宅でをつくり、味見と称して家のもの全員が少しずつ食べた。
    しめ縄も自家製で、玄関だけでなく井戸にも農具にも、大八車にも付けた。
    しめ縄作りに使うウラジロやユズリハを山に取りに行くのも楽しかった。
    いやが上にもお正月が待ち遠しくなった。

 今、特別養護老人ホームやグループホームに入っていらっしゃるゲストの世代って、まさにこの年代なんですよね。
 きっと、おばあさんはおせち料理を一生懸命に作り、おじいさんは杵を握っていた。
 そんな姿が目に浮かびます。
 おせち料理は作るものではなく“買う”ものになっているし、家族総出でお餅をつくのも遠い時代のノスタルジーでしかないようです。

 なので、あえて“餅つき”です。
 ただ、これをゲストで行うのはなかなか難しい。
 杵を振るのは重いので無理としても、取りはできないかと思うのですがこれも中腰の難しい姿勢です。
 だとしたら後は、千切って丸める工程になります。
 一昔であれば、ここで丸餅を作って、それこそあん餅、おからみ、安倍川といくところなのですが、嚥下を考慮して万全の体制を整えるために食するのは3時のおやつということになります。


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 搗き上げたお餅は、職員の手によって“お鏡”になっていったのでした。

 先ほどの『あすへの話題』 菅谷所長はこう結んでいます。
  →日本の伝統文化を大事にしよう。
   よみがえらせようとのスローガンを良く聞く。
   だが、我々は今もあまりに多くのことを無造作に投げ捨て続けている。
   日本文化の復活はまず足元からだ。

 
 特別養護老人ホームやケアハウス、グループホーム、そしてデイサービスでもいろいろな行事を行っています。
 もちろん、現代に合わせたクリスマスなどもしていきますが、

  ・冬至に“かぼちゃ”を食べ“柚子湯”を楽しむ
  ・年末に“餅つき”をする
  ・大晦日に“年越し蕎麦”を食べる
  ・元旦を“お屠蘇”で祝う
  ・お正月に“おせち料理”を食べる
  ・1月7日に“七草粥”を食べる

などの、行事(行事食)はしっかりと行います。

 記憶のノスタルジーが、良い刺激となって、生活に張りが増すことを願っています。