平成22年度新入職員研修もいよいよ締め括りです。例年、お願いしている綿先生に3時間の講義をお願いしました。大学教授の他に社会福祉法人の理事長であり、現在もケアワーカーとして施設現場では働いておられる綿先生は、今回なんと夜勤明けで神戸に来られたとのことでした。でも、そんな疲れは露にも見せず、熱く介護について語っていただけました。

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 事前に送っていただいた資料は、パワーポイントのスライド56枚分。とても3時間で収まる内容ではありません。仕事に就いて2ヶ月余りの新入職員が、介護職員としての専門性を自覚するヒントになる事項があればと思い、先生の介護の現場での経験を元にお話しいただきました。

    ・介護の専門性 
    ・情報収集の法則
    ・生活の連続性と個人のリズム
    ・心地よさを増す介護テクニック
    ・介護で大切なこと!

 いずれも、実践を通した話になっているので、決して抽象的にならず、また理想論で終わることなく、新しい気づきや発見があり、現場でいろいろなことを感じだした新入職員たちにとってはひとつひとつが頷けることではなかったと思います。毎年のように聞いている(聞くことのできる)私でさえ、綿先生の話がバージョンアップしていることに感動し、現場を抱えている先生の話のリアリティー・醍醐味に頷いていました。

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 約1時間半の講義が終わり、次は実践編です。アイコンタクトや身体への触れ方、いすへの座り方の援助や、食事介助の方法、そして皺のできないおむつの当て方など、それぞれは短い時間の説明ですが、そのいずれもが中身の濃いエッセンスを含んでおり、明日からの介護にもすぐに活かせる秘訣で一杯です。そんな秘訣をひとつだけ紹介しようと思います。いすへの座り方・誘導法ですが、左右の写真のわずかな違いがわかりますか? ‘わかっていてもできないこと’という内容の話の延長です。安全が確認できないと人は動けないものなのです。このあたりのことを理論で理解ししっかりと実践できることが専門性なのです。

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 このわずか1?の違いが、要介護者について“地獄”か“天国”の境目なのです。
 綿先生、近々神戸市の介護福祉士会の招待で研修会を行うとのことです。そんな先生を新入職員で独占してしまいました。みなさん、役に立つヒントをたくさん身につけたでしょうか。