娘が学校の宿題で“音読”をしていました。リズムの良い、そしてわかりやすい文章が多いのですが、今回は内容も興味深いものでした。思わず「貸してちょうだい」と娘に言いました。内容を引用します。


『「かむ」ことの力』  光村図書 4年(上)かがやき 金田 冽(きよし)

 「よくかんで食べなさい。」と、いつも言われていませんか。かむって、どういうことなのでしょう。また、よくかむと、どんないいことがあるのでしょう。いっしょに考えてみましょう。
 食べ物を一口、口の中に入れてみましょう。熱い、冷たい、かたい、やわらかい、大きい、小さいなど、食べ物にはさまざまなちがいがあります。その食べ物を上あごと下あごの歯でかむと、食べ物の様子が脳に伝わります。脳は、その知らせを受けて、「この食べ物は、このようにかみなさい。」と、よくかみくだけるように、あごを動かす筋肉に指令を出します。また、だえきを出すようにという指令も出します。そうして、かめばかむほど、食べ物は口の中でだえきとまじり、だんだん小さく、やわらかくなっていきます。こうすることで飲みやすくなった食べ物は、初めてごっくんと食道に送りこまれるのです。
 これらのひとつのつながりの動作を「そしゃく」といいます。そしゃくは、食べ物に直接ふれる歯、あごを動かす筋肉、口のまわりの筋肉、ほお、した、くちびるなど、多くの部分がたがいにうまく協調しないとできません。これらの部分は、働けば働くほど、きたえられて強くなります。つまり、かめばかむほど、歯も骨も関節も筋肉も強くなるということです。

上の文章を読んで、答えましょう。
(1)一口、口の中に入れると、食べ物にどのようなちがいがわかりますか。

(2)どうすると、食べ物の様子が脳に伝わりますか。

(3)知らせを受けた脳は、どんな指令を出しますか。二つ書きましょう。

(4)かめばかむほど、食べ物は口の中でどうなりますか。三つ書きましょう。

(5)「そしゃく」という言葉を、別の言葉で言うとどうなるでしょう。当てはまるもの
   に○をしましょう。
     ・かみくだく   ・かみ切る   ・かみつく

(6)そしゃくするために、うまく協力しないといけないものを全部書きましょう。

(7)かめばかむほど強くなるものを、全部書きましょう。

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 小学校4年生用の教材ですので、4年生で読むことができる漢字で文章が書かれています。質問も内容理解に役立つと思います。

 ここで、高齢者介護に従事するお父さんはこう思ったのでした。

 この一連の動作ができにくくなり、だんだん忘れていくことが、年をとっていくことなんだと。
 そして、そのできなくなったり忘れたりしたことを支援していくことが私たちの役目なのだと。

 「噛む」・「飲み込む」といういわゆる「食べる」動きは、「歩く」や「しゃべる」と同じ一連の運動動作なのですね。質問(特に?)が、私たちの介護へのヒントになると強く思いました。

 国語の教科書、なかなかなものです。